2023年 01月 31日
インフラ整備への取組 |
今回は私がこの4年間にインフラ整備に対してどのように関わってきたかをご紹介いたします。
【インフラ整備に対する議員の役割】
道路、河川、砂防施設などのインフラ整備については、一朝一夕に実現できません。事業が構想されてから、地権者や周辺住民の合意を得て、具体的な計画を立て、地権者と交渉して用地を取得し、設計を行い、ようやく工事に着工することとなります。また、道路などの場合は複数の工事区間に分けて整備することが多く、区間ごとに順次用地取得、設計、工事が進められることとなります。
このような流れで事業が実現するまでに果たすべき議員の主な役割は以下の通りです。
- 現状の問題点や地元ニーズを整理し、事業の必要性を訴え、事業の構想づくりに取組むよう行政に求めます。
- 地元、地権者の合意形成に向けて、賛成・反対の意見を聞き、課題解決に向けた提案をしつつ、行政の地元調整に協力します。
- 具体的な事業計画が立てられる段階では、地元からのニーズを確認し、計画に反映できるよう行政に求めます。
- 県と地元市町村とが連携して取組めるよう、行政間の調整が円滑に行えるよう協力します。
- 事業計画が立てられた後、事業の進捗状況を注視し、停滞している場合は原因を確認し、その解決策を提案し、実施を求めます。
- 事業完了まで確実に事業が進捗するよう、必要な事業予算の確保に向けて継続的に予算要望を行います。
- 事業が完了するまでの間、問題解決のための代替案を提案し、その実施を求めます。
【4年間の取組内容】
各事業について、その事業の段階に合わせ必要な要望を本会議や委員会で行うことになりますが、行政が主体的に地元との交渉・調整の段階にある事業については、担当者からの情報収集、意見交換にとどめ、本会議や委員会での質問を避ける必要があると考えます。これは、答弁の内容によっては地元の不信感を買うなど、逆に事業の進捗を妨げる場合があるからです。
以下に主な事業ごとに4年間の取組内容をご紹介いたします。
《竜田川の河川改修事業・168号バイパスの整備事業》
- 竜田川の河川改修については、井堰の廃止について地元交渉が難航しており、改修事業が直ぐには進まないことから、堆積土砂の撤去などできるだけ河川流量を拡大できる手段を講じるよう求めました。(堆積土砂の撤去は計画的に実施されています。)
- 168号バイパスについては、南側のバイパス道路区間について、新設される道路が十全に活用できるよう、沿道地域の道路網の整備について、生駒市と協議しながら一体的に考えるよう求めました。
- 両事業は生駒市が進める南生駒駅周辺のまちづくりと関係の深い県の事業であり、特に、県の事業計画や事業の進捗状況に合わせて市の事業を計画しなければならないことから、県と市との連携が必要となります。当初は、市の担当課が県の河川課、道路整備課、道路保全課と個別に対応しなければならず、調整に時間を要している状況があったことから、複数の課が一緒に意見交換のできる場を整えました。
《土砂災害対策の推進》
- 奈良県では、令和2年3月に土砂災害警戒区域等の指定を完了、生駒市には、急傾斜地の崩壊、土石流及び地滑りによる土砂災害のおそれのある区域として、土砂災害警戒区域が356箇所、そのうち土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)が285箇所指定されています。現在、「奈良県土砂災害対策施設整備計画」(令和元年10月策定)に基づき、土砂災害特別警戒区域内の24時間利用の要配慮者利用施設、避難所、緊急輸送路、老朽化した砂防施設に対する対策を定め、レッドゾーンを中心に優先順位を決めて取組を実施しているところです。
しかし、未だ各ゾーンにおいて必要となる砂防事業等の全容が把握できていないことから、長期的な視点に立って必要な事業を洗い出すとともに、計画的に事業を実施するよう求めました。
《滝生駒道路(国道163号バイパス)と周辺道路網の整備促進》
- 現在、清滝生駒道路(国道163号バイパス)の整備が国の直轄事業として進められているところであり、これが完成すれば第二京阪道路、京奈和自動車道と繋がり、生駒市北部地域は高速道路ネットワーク上の拠点地域として、さらなるポテンシャルの向上が見込まれます。
他方、生駒市では令和4年6月に「学研高山地区第2工区マスタープラン」を策定し、マスタープランに基づき事業を推進するため、10月には「学研高山地区第2工区事業推進会議」を設置するなど、止まっていた学研都市の建設がようやく動き出しました。
今後、清滝生駒道路の整備効果を十分に活用するためにも、高山地区第2工区、学研生駒テクノエリアを含めた、生駒市北部地域のまちづくりの観点から、既存の県道7号(主要地方道枚方大和郡山線)、県道65号(生駒井出線)、県道72号(生駒精華線)などを含めた北部地域全体の道路ネットワークのあり方を検討し、道路の機能に合わせた県と市の適切な役割分担のもと整備を進めるよう求めました。
《阪奈道路辻町ICの早期実現》
- 阪奈道路辻町ICの整備については、平27年に県が奈良方面ランプを整備する計画が提案され、県の骨格道路整備計画に位置づけられています。その後、地元協議が進められてきましたが、私が県議会議員に就任した年には、協議が難航している状況を踏まえ、計画から外す話が持ち上がっていました。
そこで、地元協議に際して県の当初計画に拘ることなく、地元が納得できるよう計画を見直しつつ柔軟な姿勢で協議を進めるよう求めました。(現在、計画への位置づけを存続し、継続的に地元協議が進められています。)
by houkoku_higuchi
| 2023-01-31 15:51